「若い時の苦労は買ってもせよ」ということわざの意味を解説しよう

「若い時の苦労は買ってもせよ」ということわざを聞いた事があるだろう。
辞書的な意味では、若い時の苦労はその体験が将来役に立つから、自分から買って出ても苦労せよという様に説明される。

しかし、実際就職活動などで苦労している若い人たちにとっては、その様な言葉は社会問題の解決を放棄した年寄りの言い訳にしか聞こえないだろう。
苦労などしないで済むのであればしないに越した事はない。

このことわざの本当の意味を解説しよう。

このことわざは経験の蓄積の差が人の成長に大きく影響するという事を言っている。
人は年をとれば、あらゆる能力が衰えてくる。
細かい字は読めなくなる、耳が遠くなる、体力は衰える、徹夜続きなどもっての他だ。仕事の成果は若い人に勝てない様に思える。
実際、若い人と同じ仕事をしてて体力が衰える分成果が低くなる人もいる。
そうなれば年寄りは早く引退しろと言われるばかりだろう。

しかし一方で、責任ある立場に立ち、人をマネージメントする事で自分が動かなくても大きな業績を上げる人もいる。
マネージャークラスで活躍する人はうまく人を動かして、体力勝負をする様な事はない。

この差はどこから出てくるのか?

仕事というのは予期せぬ事の連続だ。
若いうちは、「そんなの聞いてないよ」という事ばかりだ。
上司に「聞いてない」といっても、いいから黙ってやれと言われるだけだろう。
予期せぬ事のために成果が上がらない、時間がかかるといった事は多々あるだろうが、そのせいで評価が大幅に下がったりはしない。

ところが、これが40代・50代の人がことあるごとに「そんなの聞いてない」と言ったとしたらどうだろう。
上司に言えば、もうそれ以上出世は見込めないし、取引先に言えば徐々に仕事を失うだろう。

仕事は予期せぬ事の連続だ。
しかし、何もかも違った事ばかりしている訳ではない。
同じ様な仕事のなかでも様々な変化があり、今までに経験した事のない事でもそれが出現するまでに様々な予兆があるはずだ。

例えば、納入した商品の仕様が違うなどとクレームがあったとする。
今までと同じ様に打ち合わせした通りなのに、違うというのは納得いかないと思うかもしれない。
ところが、この様な場合でも大抵、打ち合わせ時に客先は何か違った事を言っていて、その違いを見落としている事が原因である場合が多い。
経験が少なければ、小さな違いが後に大きな影響を及ぼす事が想像できない。
その結果大きなミスにつながるのだが、幸い、若いうちは上司が助けてくれるので、せいぜい説教されて「いい経験」で済む。

これが年をとってから同じミスをする訳にはいかない。
同じ事をやっていれば命取りだ。
責任ある立場に立てば、自分のミスを謝ってくれる上司はいない。

その時の為に、若い時に苦労を買ってでもするのである。

仕事は予期せぬ事の連続だ。
しかし、全て予期せぬ事ではない。
経験から次に何が起きるか予想はできるのである。
また、小さな変化から大きな変化が予想できなければならない。
その為に経験を蓄積しておく事が重要だという事が、このことわざの本意なのである。

では、

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